柚木智花は食べることが好きだ。
朝食1つでその日の気分が違ったりする。
今日は月曜日なので、昨日気合を入れるために用意したパンを食べる。
地元のパン屋さんの一番美味しいスペシャルなクリームパンだ。
朝から甘いパンかよ、太るぞと脳内の父親が苦言を呈してくるが気にしない。
クリームがなめらかで、たっぷり入っている。うまい。
個人的にパンは手軽に食べれて、時間もかからないので大好きだ。
柚木智花はコンビニの公式サイトで新商品の情報を受信しては、これとこれを食べようかなとか考えている時に幸福を感じるタイプなので、想像するだけで食べた気になったりする時もある。
そういえば食べてないなと思って買いに行くと大抵なかったりするのだ。残念。
時間に追われているので大事にしつつちょこっとだけ急いで食していく。この店のパンは全部うまいのでまた行きたい。
食べ終えてしばらく幸福をかみしめていると、もう行かなければいけない時間である。
もう少しゆっくりしたい気持ちを抑え、今日も出勤する。糖分を摂取したので今日は無敵。
お昼はお弁当を持参する。今日は昨日作った卵サンドを持って行く。
柚木智花の卵サンドは卵サラダタイプではなく、卵焼きタイプだ。厚みが嬉しい。
今日やたらとパンが被っているから、夜はパスタにしようかなと考えながら会社へ向かう。
歩きで行けるくらいの距離なので恵まれている方である。
食べ物に生活を支配されているが、仕事中はさすがに仕事のことを考えている。
柚木智花は勝手に虚無タイムと名付けている。
仕事に対して不誠実な名付け方をしているが、勝手にそう呼んでるだけなので許してくれと謎に世界に許しをもらおうとしながら仕事をしている。
仕事が終わるとまっすぐ家に帰る。残業はしたくない、可能な限り。
誘惑が多いので、全部スルー出来ずにコンビニにふらふら吸い込まれていく事もあるが、今日は騙されなかった。
帰宅してすぐ風呂に入り、その後しばらく布団とじゃれる。
自分が遊んでるのか、布団に遊ばれているのかわからなくなってきたあたりで空腹を感じ、夕飯を作る。
スマホで曲を流しながらふんふん踊りつつ、料理する。
料理と言っても、パスタをゆでるついでにレトルトソースをゆでるだけである。一から作れたらいいなと思ってはいるが手間と時間がすごいので、秤にかけた時に手間をかけない方を取ってしまう。ずぼらな人間なのである。
あちちちち~と声に出しながら熱さを表現しつつ、パスタを完成させる。
いただきます!と心で唱えて、手を合わせる。これには朝の分と夜の分が含まれている。つまり3回分を1回のいただきますですませているのだ。
スプーンがないとパスタを巻けない人種なので、スプーンとフォークを巧みに操って食べていく。
しばし格闘した後、ごちそうさまでした!とこれまた3回分の思いを込めて心の中で唱え、洗い物をするともうここからは何をしてもいい時間が始まる。
今日は何しようかな~となんとなくスマホを眺めつつ考え、その日は読書をすることにした。
寝るまでまだ2時間もあるぜへっへっへと悪い顔になりつつ、読みたい本を選ぶ。
毎日読書できないせいで積みあがった読みたい本の山から読みかけの本をいくつか選び、自分の横に置く。
いくつもの本を一度に楽しめるタイプと、1つの本を一気に読みたいタイプの読書家がいると思われるが、柚木智花はいくつも同時に読めるタイプである。
どれだけ冊数が多くなろうとも、内容が混ざらないという便利な頭を持っている。
その日も5冊ほどを区切りがいいところまで読むともう就寝時間。
まだ起きれる!という自分と、もう寝た方がいいよなという自分を格闘させつつ、今日は寝るか~と本をもとの位置へリリース。
布団に入り、明日も頑張ろうと自分にエールを送ってぼんやりしているといつの間にか眠気が来て、今日もいい一日だったな、と思ったところで意識を手放したのであった。
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