さようなら、いちばんのお友達

春めいてくるか、と思えば冷たい風が強い日が続き、何とも言えぬ今日この頃ですね。
私の住む町には梅も寒桜も咲き始めてきましたが、普通の桜の気配はまだ遠いようです。
毎年ムキ~~~~~とさせられるのが、さくらドリンク商戦の「桜味使わない率高くない??????」という点です。
私は塩漬けの桜の味が大変好きで、「桜味ジュレ」「桜味クリーム」大好きマンなんですけど、この時期出てくる限定ドリンクはみんな苺か白桃なんですよ…分かりますかこの悲しみが…
と思っていたら、「nana’s green tea」さんで桜と抹茶のパフェが出てたんです!小躍りして食べてきました。
ちゃんと説明書きを読んでいなかったので、最初に食べた桜味のアイスとその下に隠れてたジャム?がおいしかったことを伝えたいのにこの有様です。
すみません…。

さて、桜も感じる今日この頃ですが、悲しいお別れの季節でもありますね。
先日、おこげさん(いぬ)のお友達が亡くなりました
2月11日、祝日の夜、家族みんなに見送られて虹の橋へと向かったそうです。
急なことで、当日までお散歩に行っていたのに…とお母さんが話してくださいました。
当日の朝のお散歩で、何か違和感を感じ、午後にはぼんやりとしていたというお友達。本当に急に逝ってしまいました。

実はこのお友達。おこげさんの初めてのお友達なのです。
ご近所さんとの仲を取り持ってくれたのも、このお友達。
どこの草むらがちっこポイントなのかを教えてくれたのもこのお友達。
犬を飼うのが初めてで、「他のわんちゃんはどうしているんだろう…」と悩むたびに支えてくれた私のお友達でありました。

食いしん坊で水飲み屋さんで誰からも愛されたお友達。
人と同じように肉を食べ、胃もたれするとハーブを食べ、散歩が大好きで脚をリハビリ中のお母さんを引っ張って長距離を歩こうとしてはお父さんに怒られるチャーミングなあなた。
食いしん坊なくせに家族以外の人からは食べ物をもらわないという衛生観念(?)のちゃんとしたあなた。ついぞ私の手からも食べませんでした。
食いしん坊なのに!

四月で十歳を迎えるはずだったあなたは、「ビーグル犬の寿命にちょうどいいくらい」とお母さんをして言わしめていましたが、介護もさせず、あっという間に逝ってしまいました。
私たちお散歩仲間にも体調不良を見せることなく。

ビーグル犬にしては太っていて、歩くときはでちでち、という効果音が似合うあなた。
そのくせ、童顔でお顔が小さくて、遠くの正面から見ると子犬に見えるあなた。
もう家を出て角を曲がっても、あなたの俯きがちな小顔は見られないのですね。

水をたくさん飲み、いつも水を飲む洗面器やボウルが空になると手でガランゴロン鳴らして催促するあなた。
トイレシーツの限界に挑み、毎回ぐっしょりになるまでちっこするあなた。
夏に散歩していると、ヘロヘロになって「おみじゅ…ください……」と日陰で座り込むあなたがいとおしかった。

人間の食べるものが大好きで、最期の時ですらあんドーナツを供えてもらったあなた。
「牛肉焼いたの食べるんだって!」と我が家でプチパニックを起こしたあなたのエピソード。
もう好きなだけ食べていいよ。
あなたがいなくなって食べるいぬがいなくなった整腸剤代わりのハーブの葉は、生い茂っていました。

笑いしか提供しないあなたの思い出が、あなたと歩いていただけの私にも根付いています。

あの世では、現世(うつしよ)の者に思い出されると花が降るといいますね。
おこげさんとの散歩のたびに「ここ、あなたのちっこポイント」「あなたが行きたがった山への道への分岐点」と思い出しては、ひっそりと泣いています。
花を降らせたのに涙で濡らしてしまうとは何事か。
笑いを起こすあなたに涙は似合いませんね。

それでも五年も一緒に歩いた散歩仲間として涙を禁じえません。

あなたのお母さんは強いですね。
毎日あなたと歩いた道を歩いて、私があなたのことを思って泣いてしまっても困ったように笑うだけで涙は見せず。

それはきっと、あなたが遺してきたものがけた違いに大きくて、愛おしくて、幸せの余韻がいっぱいあるのでしょう、それだけあなたの愛おしさはすごいってことです。

これ以上書くと私の涙のダムが決壊して、あなたが嫌いだった雨に変わってしまうから、いつもより短い文章だけど許してね。

いつかおこげさんがそちらに行くときは、多めにおやつを持たせますので、一緒に食べてくださいね。

愛しのごんちゃんへ。おこげぬしより愛をこめて。