おこげさん(いぬ)のこと
前回の投稿からできるだけ間を開けないようにしたいのですが、なかなか難しいですね…。今年の目標を100個書くウィッシュリストに、「essayを週2で書く」を掲げた私ですが、早速守れていません…。
そもそもパソコンを開いている時間のうちの隙間時間で書いているので、なかなか時間が取れないのですが、パソコンを開いている時間を増やせば解決するのですよね。
えぇ…(自室が寒くて居たくない顔)
とりあえず今日はおこげさんのお話です。
余談ですが、私はあまり「犬」と書きません。
「いぬ」と書きます。
「猫」も「ねこ」と書きます。
な行のくんにょり感が好きなので、できる限りひらがなに開きます。
なんとなく、丸まって寝ている感じがあって、ひらがなの「いぬ」「ねこ」が好きです。
どうでもいい余談でしたが、それではおこげさんと出会った時のお話を始めましょう。
おこげさんと出会ったのは2019年の8月も終わりに差し掛かった頃のこと。
6月の終わりに大学を辞め、7月の終わりに引っ越してきて、暫らく経った日の事でした。
8月の頭に有名な豆柴ブリーダーさんとお話しする機会を家族で設けて、「いぬを飼おう!」と決めた後の出来事でした。
市内のあらゆるペットショップを巡り、中々ビビっとくる子がいなかった時。
母が、「あそこにも小さなペットショップあったよね」と思い出したお店が静岡市街のお店でした。
そこにおこげさんがいました。
父と母は犬飼い経験者。
抱っこも手慣れたものだったのですが、何せ私は初心者。
いつもいぬはがくがく震えていました。(それはもちろん人馴れしてないとかもあるのですが)
おこげさんは、堂々とした面持ちで私のお膝の上に乗りました。
「あなた、だれ?」と手をなめる動作も自然体。
「こんなに肝が据わっている子犬がいるんだ!」と驚いたものです。
問題は金額でした。
豆柴で黒柴の女の子。
その時はじめて知ったのですが、黒柴のメスは出生率が低いそうで、なかなかお目にかかれないとのこと。
膝関節に軽度の変形を抱えてはいましたが、軽度なので歩行に問題なしとされて、結構なお値段でした。(ここではお値段の発表は控えさせていただきます)
この時の候補は3匹。
別のペットショップで見てきた子もいます。
普通の柴になるだろうな、という足の太さをした、赤柴の女の子。(茶色い柴のことを赤柴、と呼びます)
おどおどとした風貌の、この子は豆柴になるだろうな、という足の細さの、黒柴の男の子。(お値段も2~3万安かった)
そして、お顔が美人さんで、物怖じしない、柴になるかもしれないおこげさん.
家族会議が開かれました。
まず、母が昔飼ってた黒いいぬに憧れがあったので(この子には嘘みたいなホントの話がたくさんあるので、いつかお話ししたいです)、黒柴で二択。
父は私の意思を尊重するからと一票を私に託し離脱。
私はおこげさん一択でした。
茶色がかったまあるいおめめに、大きな耳。
すん、と澄ました態度があまりにもかわいくて、「私はあの子とならうまくやっていける」と訴えました。
母も最後には折れて、もう一度来店する日程を決めたうえで、「あの子とのご縁があったら絶対お店にいるはずだから」と言って、9月12日に再訪することを決めました。
来る9月12日。
母をせかしてお店に行くと…いました。いてくれました。
この時どんなに嬉しかったことか!
「お迎えするわんちゃんの名前はなににしますか」
休学している間の二年間、私の心は少し壊れてしまっていたようで、何度も父にペットショップのショーケースにいる赤ん坊のいぬを見せてもらっては泣く、という日々を繰り返していました。
この時繰り返し唱えていたのが「赤柴はコッペパン、白柴は発酵中、黒柴は焦げたパン」でした。
意味なんてなくて、ただすやすやと寝ている子犬たちがかわいくて、幸あれと唱えていただけなのですが、それを思い出しました。
迷いはなかったです。
「おこげでお願いします」
我が家の日当たりのいい暖かな部屋で、ぬくもって焦げ焦げになるくらいゆっくりしていっておくれ。
それが願いでした。
そうして迎えられたおこげさんとの生活は、最初は大変でした。
トイレを覚えられなかったおこげさんが、やっとのことで身を起こした私に、散歩に連れて行けというのです。
最初はパジャマで散歩していましたが、母に「頼むから着替えてくれ」と懇願され、着替えるように。
そうすると、何の服を着たらいいのかわからず困るという、なんとも言えない問題が出てきました。
散歩に出ると、小石を拾い食いするおこげさんとの戦い。
食いしん坊で何でも食べてしまうため、石も小動物の骨も魚の骨も食べました(今も食べます)。
一瞬も気が抜けない散歩に神経をすり減らして、「散歩に行きたくない!」と両親に訴えたこともありました。
でも、おこげは私が守らなくてはいけない。
その思いで何とか3歳のお誕生日を迎えるまで散歩を続け、小石は食べなくなりました。
人の言葉も割と通じるようになり、「やめて」や「こっち行くよ」などが伝わり、散歩も幾分か楽になりました。
同じ部屋にいると、ちょいちょいとにんげんの体に触れてきて、「なでて」と訴えるのが可愛すぎて、ずっと撫でています。
そして「もういいの」と離れていかれるまでがワンセットです。
人が大好きすぎて、気に入った人がいるとふんすふんすと嗅ぎまわります。ついでに右耳(なぜか右耳なのです)も嗅がせてもらいます。
いぬとの距離の詰め方が下手すぎて、お友達は少ないです。
おこげさんが一方的にお友達だと思っているいぬもいます。
そちらも柴です。
柴には柴距離といわれるものがあって、なぜか柴同士だとちょっと距離を置いてしまう、そんな柴犬間の距離のことです。
しかし時におこげさんは柴距離を破って突入してしまうので、嫌われてしまいます…そうだねお前は仲良くなりたかっただけだね……。
不器用で、天邪鬼で、憎めないかわいいやつ。そんなおこげさんをよろしくお願いします。