シエリ・作


晴太とさくらは、クラスの花壇係でした。ある日、二人は水やりをしているとき、不思議な花を見つけました。さくらが「見たことがない花だなぁ」と言って触れると、突然、お互いの心の声が聞こえるようになったのです。

 

最初は信じられませんでしたが、その花には不思議な力があり、触れた人は周りの人の心の声を聞くことができたのです。二人は好奇心がわいて、クラスメイトの心の声も聞いてみることにしました。

 

すると、いつもみんなにいじわるをする亮太くんが、「本当はみんなと仲良くしたい」と思っていたことがわかりました。またクラスで一番大人しい百合子ちゃんは、「みんなとドッジボールがしたい」と考えていました。

 

晴太とさくらは亮太くんと百合子ちゃんの心の声を知り、2人の本当の気持ちに気づきました。二人は勇気を出して、その花のことと、みんなの心の声を聞いたことを教室で話しました。

 

「この花のおかげでみんなの本当の気持ちがわかったんだ」と晴太くん。

 

「思ってることは声に出そう!我慢してることや本心を言おう!」とさくらちゃん。

 

すると亮太くんは「今までごめんね。本当はみんなと遊びたかった」と言いました。

 

百合子ちゃんも「私も一緒にドッジボールやりたい!」と話しました。

 

クラスメイト全員で心を開いて話し合い、みんなで「一緒に外で遊ぼう!」と元気に校庭へ走っていきました。

 

心の声を知ったことで、本当の気持ちを伝え合うことができたのです。

 

晴太とさくらはその花を花壇の元の位置に戻しました。2人にはもう必要ないでしょう。

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2件のコメント

  1. 花の行方がすごく気になります。そのまま誰にも気が付かれず枯れて行くのかなと思いますが、子供達が大人に話し、信じた大人がその花を手に入れたら…。人の思っていることを知ることが出来るものは諸刃の剣ではないでしょうか。妄想が膨らむお話でした。

    • シエリ

      Bunさん。コメントありがとうございます。感想を頂けて嬉しいです。

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